修繕の種類

修繕について

日ごろ愛着を持って使っていたり、大切な人の想い出深い陶磁器が壊れてしまったときは、とても悲しいものです。ほん陶では、こうした器を、ふたたび使うことが出来るようにする「修繕」を行っています。再使用を前提とした修理のため無傷にもどす復元ではありませんが、長く側に置きたいと思える器になるよう最善を尽くします。高価な器である必要はありません。気軽に問い合わせてみてください。

破損&欠損の修理

金継ぎ

概要

漆(うるし・天然樹脂)で接着し、修理箇所を金や銀の金属粉で覆う昔ながらの方法です。

使用修理剤

主剤:天然漆(MR漆)
増粘剤:グルテン粉(小麦粉から分離精製したタンパク質)
添加剤:砥粉(砥石の微粉末)、弁柄(酸化第二鉄)
被服剤:純金粉、純銀粉

長所

耐熱耐水耐酸性で、修理した器は日常使用が可能です。
金や銀を使用するので豪華に見えます。

短所

有色(黒、飴色、金、銀色のいずれか)になるので修理跡が目立ちます。
電子レンジやオーブンなど加熱機で使用できなくなります。
手荒に扱うと金や銀は剥離します。(剥離した時は塗りなおしが出来ます)
※ 漆は硬化を確認してから返却していますが、漆の酵素により微量でも漆かぶれを起こしたことのある方は、使用の際に十分に注意して下さい。

樹脂修理

概要

合成樹脂(接着剤)と顔料(色粉)を使用して修理を行います。

使用修理剤

主剤:合成樹脂(食品衛生法適合)
増粘剤:微粒二酸化ケイ素(食品添加用ガラス微粉末)
充填剤:炭酸カルシウム、タルク(滑石)
顔料:食用チタン、食用色素(レーキ)、竹炭微粉末

長所

耐熱耐水性で修理した器は日常使用が可能です。
樹脂は顔料を加えることで、ある程度の色合せが可能です(完全に同じ色にはなりません)。
金継ぎとの併用も可能です。

短所

合成樹脂は近年開発されたものなので、耐用年数がはっきりしません。
珈琲、ソースなど色が濃く、油を含んだ食材に長く触れていると色が沈着することがあります。また、アルコール類への耐性は確認していませんので、酒器などの修理は金継ぎをお勧めいたします。
加熱機での使用はできません。

※金継ぎ、樹脂修理に共通した注意

修理剤は耐水性ですが、長時間、温水と接していると、素地と修理剤の接着強度が落ちてきます(カップなどにお湯を入れて飲む程度の時間は大丈夫です)。修理後は長時間の付け置き洗浄や食器洗浄機での使用は避けていただくようお願いします。
常に水と接する器の場合には別途、強耐水処理を行います。
その他、詳細はご依頼品返却時に注意書きを添付していますので、使用前にご一読いただくようお願いいたします。

特殊修理

概要

合成樹脂と顔料を使用して修理を行います。

使用修理剤

主剤:樹脂(工業用)
増粘剤:ガラス微粉末
充填剤:炭酸カルシウム
顔料:無機顔料

長所

色合わせを行うので、修理箇所が目立ちにくくなります。

短所

細いヒビや汚れたヒビを消すことはできません。
修理剤は、人体に有害なものを含みます。
基本的に静置状態での強度しかないため、修理後は、飾り専用になります。

水漏れ・強耐水処理

薬剤処理

肉眼または指触で傷が確認できないのに水が漏れる場合や、常に水と接する器などは、薬剤を器に塗布して皮膜を作ります。
※薬剤は、粋工舎の液体セラミック(シランモノマー系浸透剤)を使用しています。液体セラミックは陶磁器素地に浸透し、素地成分と反応して耐水性を発揮する液剤です。粋工舎では200度までの温度粋にて、熱変性や溶出、水分やアルコールとの反応において安全性を確認しており、ほん陶では、粋工舎推奨の使用方法に則って耐水処理を行っていますが、骨董品など素地内に汚れが蓄積したものについての耐水効果や安全性などは不明です。耐水処理をご依頼の方は、その点をご理解いただくようお願いいたします。

物理処理

貫通による水漏れが原因で、常に水と接している器の場合は、漆または耐水性樹脂で穴を埋めます。(この場合は、金継ぎや樹脂修理と同様です。)

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