これまでの問い合わせで多かった質問と回答をまとめてみました。修理ご依頼の際の参考にどうぞ。
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Q:金継ぎと樹脂修理で値段が同じなのは何故ですか?
A:分かりやすい料金体系にするためです。
樹脂は金を使用しないため料金が安いと思われがちですが、樹脂の色調整には、金継ぎよりも材料を多めに使い、色数が多いと使用量はより増えます(使用している樹脂の値段は漆とほとんど同額で、色粉も使用量が多いので金とそれほど違いません)。また、作業も、修理剤の混合、接着、充填、仕上と同じ工程で行われます。というわけで、こうしたことを前提に整合性のある分かりやすい料金体系を考えた結果、接着長や欠損面積を基準にした料金を加算するという形に至りました。どうぞご理解下さい。
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Q:修理期間が長いと思うのですが、もう少し早く出来ませんか?
A:ご迷惑をおかけして申し訳ありません。修理剤は接着後、強度が出るまでの保持期間が必要になるため、手順の多い修理は個々の作業間で保持期間が各々必要となるためどうしても時間がかかってしまいます。また、一人で修理作業をしているので、ご依頼数が多くなるとローテーションスパンが伸びて余計に時間がかかるため、お待ち頂く期間も長くなります。何卒、ご理解のほどよろしくお願いいたします。
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Q:金継ぎと樹脂修理はどちらのほうが丈夫ですか?
A:修理状態の強さは、さまざまな要因によって決まりますので、正確にどちらが強いと言うことはできません。
例えば、素材の硬度は、樹脂が3〜4H(※1)なのに対して、漆は6〜8Hですから金継ぎの方が傷が付きにくく、投錨効果(※2)も高いと言えます。
しかし、投錨効果が効きにくい破損面(※3)や水中での陶磁器との密着性は、漆に比べると樹脂の方が強いので、接着断面が滑らかな場合や、水と接する時間が長い器の場合は樹脂修理の方が丈夫だと言えるでしょう。
とはいえ、極端に強い力をかけたり、よほど無理な使い方をしない限り、日常使いで大きな違いはないと思います。なお、修理後の使用上の注意は、ご依頼品返却時にプリントしたものを入れていますので、ご使用前に一読下さい。
※1.Hは鉛筆の芯の硬さを基準にした硬度単位で、数が大きい方が硬いことを示します。
※2.隙間に入り込んで硬化し、接着力を高める効果
※3.焼成温度の高い磁器や、ボーンチャイナ(洋食器)は、破損面の平滑性が高くなり修理剤が浸透しにくくなります。
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Q:金継ぎで使う原料は本物ですか?
A:金継ぎで使用する修理剤は、天然漆(MR漆)、グルテン粉(小麦粉から分離精製したタンパク質)、砥粉(砥石の粉)、弁柄(純度99%以上の酸化鉄の粉)、純金(24カラット)や純銀を使用しています。全て人体に無害と言われているものです。
なお、漆は一定の硬化時間をとってから返却していますが、本漆を使っていますので肌が敏感な方は被れる危険があります。心配でしたら半年〜1年ぐらい戸棚に置いて硬化させてから使用することをお勧めします(MR漆は非加熱精製を行った本漆のため、高湿度条件でなくても硬化しやすい漆ですので、戸棚に置いておくだけで硬化が進みます)。また、重度小麦アレルギーの方は修理前にご連絡いただければ、グルテン粉を使用せず漆のみで修理を行うこともできます。
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Q:10片くらいに細かく割れているのですが直りますか?
A:かなりの面積が粉砕したり紛失していなければ、破片数が多くても、作業期間は長くなりますが大抵は直ります。
ただし、あまり小さな破片は、無理に使用すると接着誤差を大きくして形や修理強度に影響を与えることがあるため、支障があると判断した時は使用せずに樹脂や漆の充填で対応することがあります。残った欠片は、ご依頼品を返却する時に、ビニル袋に入れて同封いたします。ほん陶は、あくまでも使用を前提とした修理を心がけていますので、小片まですべてを繋ぐ完全復元作業は基本的に行いません。何卒ご了承下さい。
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Q:直せないものはありますか?
A:直火の当たる部分や、長時間加熱される場所は修理出来ません。具体的には、土鍋、アロマポット用受け皿、白熱球を使用するスタンドなどです。樹脂と漆では耐熱温度が異なりますが、基本的には熱湯使用時が上限温度と考えてください。
また、アンティークで長期的な汚れが付着、蓄積している傷やヒビは、汚れによって修理剤が本体と密着しないため十分な接着強度を得られないことがあります。
その他、肉眼では確認できても、指で触ると凹凸が分からないヒビも、修理剤が浸透しないため修理することができません。金継ぎで表面に金層を被覆するだけでしたら可能です(被覆のみですので、ヒビ止めにはなりません)。
それから、修理できないということではありませんが、こちらの作業スペースの問題で、50pを超える大きさのものは受け付けておりません。申し訳ありませんがご理解を頂きますようお願いいたします。
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Q:樹脂修理と特殊修理の違いは何ですか?
A:。日常使用を前提とした修理が樹脂修理、日常使用を前提としない修理が特殊修理です。そのため、接着方法と顔料(色粉)が大きく異なります。
接着方法でいえば、樹脂修理は実用したときに壊れることのないよう面接着を行い、樹脂も耐水性の高いものを使用します。特殊修理は丈夫さよりも接着箇所を分かりにくくすることを目的としているので点接着を行い、耐水性は考慮していません。なお、面接着は接着面積が広いのでしっかりと接着しますが、そのぶん、接着剤を多く使うため接着剤の厚みにより接着箇所が線として見えたり接着誤差が生じる場合があります。
顔料については、樹脂修理の場合、食用色素など口に入れても害のないものだけを顔料として使用しています。そのため、色数が少なく樹脂の色を器に似せにくいのですが、特殊修理では、出来るだけ透明度の高い工業用樹脂を使い、カドミウムなど人体に毒性の高い無機顔料も使うために色の幅が広く、色や透明度を器に似せることが出来るという違いがあります。
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Q:修理したところが、また取れてしまいました。再修理できますか?
A:はい。再修理いたします。
修理は出来る限りしっかりと行っておりますが、修理剤を使用する以上、陶磁器同様の強度にはなりませんし、私自身の修理技術の未熟さもあります。また、あらゆる使用状況において修理強度が落ちないという実証が不可能なため、ほん陶では、ご依頼品の返却から1年以内を無償修理保証期間(送料のみお客様のご負担となります)とさせて頂いております。ご返却から1年以上でも、修理箇所を検証した際に修理技術上の問題と確認したときには無償にて修理することもあります。
お手数をおかけして誠に申し訳ないのですが、実用的な陶器の修理技術向上のため、修理箇所が破損した時には、是非とも再修理のご連絡を頂きたくお願い申し上げます。